将来廃止予定の要綱の廃止を取り消す又は延長する方法
【お問合せ】
要綱に基づいて独自で行っていた事業を終了するため、その「要綱を廃止する要綱」を令和3年3月31日で制定し、令和3年8月1日に廃止の効力が発生予定です。
しかし、当該事業を延長する可能性が出てきました。そのため、廃止をいったん取り消す又は延長したいと考えております。
廃止する要綱を取り消す又は施行の日を延長する方法があればご教示ください。
【弊社見解】
お問合せいただきました内容についてご回答いたします。
◆取り消す方法
廃止する要綱を取り消す方法の一つは、「〇〇要綱を廃止する要綱を廃止する要綱」を制定することが考えられます。
「○○要綱を廃止する要綱」は「○○要綱」を廃止する目的で、「○○要綱」とは別の例規として制定されています。つまり、1つの独立した例規なのです。独立した例規である以上、目的が廃止であろうとなんであろうと、その例規自体を廃止できない道理はございません。
「○○要綱を廃止する要綱」を廃止する目的で、さらに別の例規を制定すれば同じように廃止することが可能です。
ただし、これには条件がございます。
・「○○要綱を廃止する要綱」が未施行であること(施行日が将来であること)
・「○○要綱を廃止する要綱を廃止する要綱」の施行日が「○○要綱を廃止する要綱」の施行日より前に到来すること
この2つが必要になります。
今回のケースでは 「要綱を廃止する要綱」 の施行日は令和3年8月1日ですので、現時点(2021年7月1日)であれば、1つ目の条件はクリアされます。
その上で、当該「要綱を廃止する要綱を廃止する要綱」を、令和3年8月1日前の施行日で制定すれば、2つ目の条件もクリアされ、取消しが可能になります。
◆延長する方法
「○○要綱を廃止する要綱」の施行日を延長する方法の一つは、「〇〇要綱を廃止する要綱の一部を改正する要綱」を制定し、「〇〇要綱を廃止する要綱」の施行日を改正するが考えられます。
◆取り消す方法での解説同様、「○○要綱を廃止する要綱」は「○○要綱」とは別の例規として制定されているため、1つの独立した例規ですので、改正の対象になります。
未施行なのであれば、施行日の延長が可能です。
条件としては、◆取り消す方法と同様です。