章や節の際(境目)で使用される「中」
章や節の際(境目)では、条の属する先を明確にするために、「中」を用いることがあります。
ここでは、どのように「中」を用いているのかをご説明いたします。
* 「編、章、節、款、目」を以下「章等」という。
一、「中」が必要な場合
1.章等の際に新たな条を加えるとき
(例えば、2条を第○章第2節の冒頭に追加する場合)
「第○章第2節中第○条の前に次の2条を加える。」
上の例では、冒頭に新たな1条を加える際には、新たな1条が第○章第2節に属するのか、その前にある第○章第1節(の最後)に属するのか不明確にならないように条名のみならず、属するべき節をはっきりさせている。章等の際で条等を追加する場合は、このような処理が必要になる。同じように、
2.章等の最後に条を挿入する場合
「第○章中第○条の次に次の1条を加える。」
となる。
3.章等の最後の条を繰り下げて新たな条を追加する場合
繰り下げられる条の所属が不明確にならぬよう、属すべき章等を明確にする必要があり、
1)
「 第2章第3節中第33条を第33条の2とし、第32条の次に次の1条を加える。
第33条・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 」
となる。
1)のような場合で字句改正が伴う場合、
「 第33条の7中「A」を「B」に改め、第3章第2節中同条を第33条の8とし、第33条の6の次に次の1条を加える。
第33条の7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
」
及び 章の冒頭へ移動する場合(以下の例では既存の第5条についての問題)**
(例)
第1章
第1条
第2条
第3条
第2章
第4条 削る
第5条 第4条へ移動するが依然として第2章に属する場合
第6条 第5条へ
第3章
第7条 第6条へ移動するが、属する章は第3章のまま。
改正規定は、
「第4条を削り、第2章中第5条を第4条とし、第6条を第5条とし、第3章中第7条を第6条とする」
*について 第3章に属するのか、第2章の最後の条として移動するのかわからないので、明示する。
**について 第2章の最初に移動するのか、第3章の最後に移動するのかわからないので明示する。
5.章等の最後の条を単に繰り上げるとき(以下の例では既存の第6条についての問題)
(例)
第1章
第1条
第2条
第3条 削る
第2章
第4条 第2章第3条へ
第5条 第4条へ
第6条 第5条へ
第3章
第7条 第3章第6条へ
「第3条を削り、第2章中第4条を第3条とし、第5条を第4条とし、第6条を第5条とし、第3章中第7条を第6条とし・・・」
上の例で第6条のある位置は、第2章の最後第3章の直前にあり、「章等の際」にあるといえる。ここで、この第6条を移動させる際に、所属すべき章を明示するために、「第○章中」と表現しなければならないかが問題になる。この場合、章の一番最後にある条がそれよりも上に移動(繰上げ)されるのであり、明らかに既存の2章に所属すべきことがわかるので、「第○章中」と表現する必要はない。また、第1章の最後第2章の直前にある第3条を削っているが、条の際といえども、「削る」場合や「削除」の場合、所属を明らかにするための「中」は不要である。
*この辺りは各自治体より解釈の異なるところ。法令の改正規定でも「中」を付けている場合とそうでない場合がある。敢えて上の例で付けるとすると、
「第3条を削り、第2章中第4条を第3条とし、第5条を第4条とし、第2章中第6条を第5条とし、第3章中第7条を第6条とし・・・」
6.章等の最初の条を単に繰り下げる場合(以下の例では既存の第4条についての問題)
(例)
第1章
第1条
第2条
第3条
第4条 追加
第2章
第4条 第5条へ
第5条 第6条へ
第6条 第7条へ
・・・
この場合も、5.と同じく第4条は、第2章の際にはあるが、2章から下の方向に移動する(際から離れていく)だけであるので、どの章に属するかわざわざ明示しなくともよい。改正規定は、
「 第6条を第7条とし、第5条を第6条とし、第4条を第5条とし、第1章中第3条の次に次の1条を加える。
第4条 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
となる。「第1章中」は、章の最後に追加する際の「中」である。
*同じくこの辺りは各自治体より解釈の異なるところ。法令の改正規定でも「中」を付けている場合とそうでない場合がある。敢えて上の例で付けるとすると、
「 第6条を第7条とし、第5条を第6条とし、第2章中第4条を第5条とし、第1章中第3条の次に次の1条を加える。
第4条 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
7.章建ての最後に位置する章の一番後ろ(本則の一番後ろ)条を繰り下げる場合
*4章からなる本則
第1章
第2章
第3章
第4章
第80条
第81条
第82条 追加
第82条 第83条へ
第4章は本則中最後の章となるので、旧第82条が新82条の追加によりどこの章に属するのかは明らかであるので、「中」を使用しない。改正規定は
「第82条を第83条とし、第81条の次に次の1条を加える。
第82条 ・・・・・・・・・・。」
*同じくこの辺りは各自治体より解釈の異なるところ。法令の改正規定でも「中」を付けている場合とそうでない場合がある。敢えて上の例で付けるとすると、
「 第4章中第82条を第83条とし、第81条の次に次の1条を加える。
第82条 ・・・・・・・・・・。」