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2023/09/27(水)
カテゴリー : -FAQ, 5.用字・用語、形式

どのような用語を用いるかについて

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【お問合せ】

許可の取消しなどの条文を法律で確認いたしますと、以下のものが見つかりました。
「偽りその他不正の行為により」・・・地方税法、介護保健法等
「偽りその他不正な手段により」・・・生活保護法、宅地造成及び特定盛土等規制法等
「偽りその他不正の手段により」・・・出入国管理及び難民認定法、通関業法等
取消しに係る規定を設ける予定ですが、これらはどのように使い分けているのでしょうか。

【弊社見解】

法令における言葉の使い方については、例えば「その他」と「その他の」のように、明確にその意味が異なるものがあります。そのような言葉については、それぞれの言葉の意味に従って、厳密にその使い方を間違えないようにしなければなりません。

他方、基本的にはその意味内容が異なるわけではなく同じようなことを意味しているのではないかと考えられるが、条文上は異なる表現・用語が用いられているというようなものも存在します。今回のお問合せは、そのような例についてのものと考えます。

統一的な整備の考え方というようなものが存在していると考えられる用語・表現の場合には、それに従うことが適切と考えます。

しかし、今回のお問合せは、そのような統一的な考え方が存在していないと考えられるような表現・用語に関するものではないかと思います。

そのような表現・用語に関しては、一概にどの表現・用語が適切かということを判断することは困難と考えます。結局は、規定しようとしている内容や条文の文脈等に照らして、最も適切な表現・用語を選択するべきとしかいうことができないところです。

したがって、一概に「こうすべきである」などということは困難ですが、解釈上の疑義を生じさせないようにするという観点からは、例えば、次のような点について留意をすべきと考えます。

・ 当該条例、規則等の中の他の条文において、どのような表現・用語が用いられているか。
・ 条例の委任を受けて制定される規則等の場合には、その制定の根拠となる条例等において、どのような表現・用語が用いられているか。
・ 類似の事項を規定している条例・規則等において、どのような表現・用語が用いられているか。

これらも絶対的な判断の指針ではありませんが、このようなことにご留意の上、「規定しようと考えている内容に最もふさわしい表現・用語は何か」ということを検討する必要があると考えます。