条例の公布の前の準備行為について
【お問合せ】
条例及び同条例の施行規則を新規制定するにあたり、条例の附則を以下のように規定する予定です。
(施行期日)
1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。
(準備行為)
2 第〇条の規定による〇〇及び△△並びにこれに関し必要な手続その他の行為は、この条例の施行の日前においても行うことができる。
質問1
以上の附則を規定した場合に、条例の公布の日(令和6年3月頃)以前から準備行為を実施しても良いのでしょうか。
質問2
質問1において、条例の公布の日以前から準備行為を実施することに問題がある場合は、同条例の施行規則の附則に経過措置を設け、「この規則の施行の際における△△は、第〇条の規定にかかわらず、◇◇を始めようとする日の〇日前までに行うものとする。」といった規定を置き、条例の施行日については、公布の日とすることが可能でしょうか。
【弊社見解】
便宜上『施行前の準備行為に関する一般論』をご説明した上で、個々のご質問に回答いたします。
◆施行前の準備行為に関する一般論
条例が制定・改正される場合には、その施行前に、当該条例の施行に向けて準備行為が必要とされることが多いです。このような準備行為には、事実行為としてできることもありますが、そのことを行うことができる旨の規定が必要になることもあります。これは、内部的な事務に留まらず、対外的な事前手続事務になるようなときに多いです。例えば、団体、機関等の委員の選任、審議会等の意見聴取の手続に関するものがあります(法制執務詳解・新版Ⅲ・243頁参照)。
この一般論は、あくまで「公布後」かつ「施行前」という前提があります。準備行為に関する規定があったとしても、それが少なくとも公布されていなければ、無意味になるのではないかと思います。
◆質問1
以上の一般論を前提としますと、たとえ条例の附則第2項に準備行為に関する規定があったとしても、同条例が公布されていない段階での準備行為は許容されないのではないかと思います。
◆質問2
お問合せにある準備行為とは異なる特例的な規定を設ける方法が、準備行為を定めるよりも現実的ではないかと思います。〇〇市(町・村)様のように具体的に「◯日前まで」と日数を明記しているわけではございませんが、読替という方法で特例を設けている自治体様の例を添付いたしましたので、ご参照ください。
◯郡山市職員の配偶者同行休業に関する条例施行規則
http://www1.g-reiki.net/koriyama/reiki_honbun/c504RG00000914.html