未施行の条の追加に係る欠番の取扱いについて(地方税法の一部を改正する法律(平成23年法律第35号)に関連して)
【ご質問】
今回地方税法の一部改正法の施行に伴い、税条例を改正することとなりました。 |
【弊社見解】
ご指摘のように、施行日どおりに溶け込ました場合、第23条が一時欠落している状態になってしまいます。「溶け込み方式」は一部改正法令の内容が、その法令の施行と同時に対象の法令の中身に溶け込んで一体となる方式でありますので当然のこととも言えます。
条番号が欠落していることには不自然さがあるものと思いますが、未施行の規定をどのように表記するかは、法制執務上は明確な決まりはないと思われるところです。 このような場合、以下のような方法が考えられます。
① 特段の手当をしない
お問い合わせのとおり、改正附則を見れば改正規定の施行日は規定されているため、表記の上では当該規定をことさら区別せずに溶けこませてしまい、特段の手当をしないということも、実際には可能と考えられます。
② 附則で調整する
また、改正附則において「適用日」を調整することが考えられます。
附則第22条、附則第24条とともに附則第23条も一緒に施行してしまい、問題の規定の「適用日」を未来にする、次のような規定が考えられます。
適用日を未来にすることは変則的ではありますが、法律に例が無いわけではなく、また「なお従前の例による」の亜種(新規追加の規定なので「○日までの間はなお従前の例による」とは表現し難い)と考えれば、こういった方法も採りうると考えます。
【参考例】
○地方税法の一部を改正する法律(昭和25年法律第2号)-官報より抜粋
③ そのまま条文を載せ、注を付す(例規集の表記として)
実質的には①と同じですが、第23条全文を載せ、施行日までの間は【平成24年1月1日から施行する。】などのように注意書きを設けることが考えられます。
【参考例】
○厚生年金保険法の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則第16条抜粋
④ 条番号のみを表示させる(例規集の表記として)
附則第23条を「未施行」等と記述した空の条としておき、平成24年1月1日以降に附則第23条の内容を補充することも考えられます。
【参考例】
○租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律第5条抜粋
○地方税法第758条抜粋