法制執務全般、じょうれいくんの操作、技術的な解説

5.用字・用語、形式 記事一覧

2010/07/15(木)
カテゴリー : 5.用字・用語、形式

「同」の用途について

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【ご質問】

  「法第A条第1項又は第B条第1項の規定・・・・・同項・・・・」という規定がある場合、この「同項」は・・・

 

(1)「法第A条第1項又は第B条第1項」の両方を指すものと解釈される。

のでしょうか。 それとも、

(2)「第B条第1項」のみを指すものと解釈される。

 

のでしょうか?
  (2)の解釈とした場合、制定者の意図が、(1)を示しているものである時、この「同項」は、もう一度、「法第A条第1項又は第B条第1項」と記載すべきなのでしょうか。

弊社見解

  「同」は、一つの文章の中で、最も近い場所に表示された条・項・号等と同一の条・項・号等を表示する場合に用いられますので、お問合せ中の同項は「第B条第1項」のみを指すもの解されます。
  制定者の意図が、「法第A条第1項又は第B条第1項」の両方を指すものである場合には、再び「法第A条第1項又は第B条第1項」と規定されることが考えられますが、再び規定することは簡易と言えません。
  このような場合は、「法第A条第1項又は第B条第1項の規定・・・・・これらの規定・・・・」とされるのが通例と思われます。

【参考例】

○観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律

(平成二十年五月二十三日法律第三十九号)

(海上運送法の特例)

第十五条 観光圏整備事業を実施しようとする者が、観光旅客の移動の利便の増進を図るために実施する海上運送法第十九条の五第一項に規定する人の運送をする貨物定期航路事業又は同法第二十条第二項に規定する人の運送をする不定期航路事業であって事業の開始その他の国土交通省令で定めるものに関する事項が記載された観光圏整備実施計画について、第八条第三項の認定を受けた場合において、認定観光圏整備実施計画に従って当該事業を実施するに当たり、同法第十九条の五第一項又は第二十条第二項の規定による届出を行わなければならないときは、これらの規定による届出をしたものとみなす。

○愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律

(平成二十年六月十八日法律第八十三号)

第十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第九条第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十一条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第十二条第一項又は第十三条第一項の規定による検査若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者