繰り下げ、繰り上げる条の中に字句の改正がある場合の改め文
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法制執務詳解《新版》343ページ上から14行目*の解釈は、繰り下げる条の中に字句の改正がある場合の改め文にも適用されるでしょうか?
<p343>
例1
第9条中「・・・」の次に「・・・」を加え、「・・・」を削り同条を第8条とし、第10条を第9条とする。
*例1において第10条を第9条とする繰上げは、第10条中に字句の改正がなく単に繰り上げらるだけであるから、これをわざわざ条単位で独立させ一つの規定で処理する必要はない。このような場合には、第9条の改正に続けることとされている。
適用されるとすると、312ページ例2の改め文は、
「第9条中……………………………を加え、同条を第15条とし、第8条を第14条とする。……」
とするのでしょうか?
<p312>
例2
第9条中・・・・を加え、同条を第15条とする。
第8条を第14条とする。
【弊社見解】
法制執務詳解《新版》343ページ上から14行目*の解釈は、繰り下げる条の中に字句の改正がある場合の改め文にも適用されるものと考えます。
法律・政令を見る限りにおいては、
①「 第9条中……………………………を加え、同条を第15条とする。
第8条を第14条とする。」
②「 第9条中……………………………を加え、同条を第15条とし、第8条を第14条とする。…… 」
のいずれの形も見受けられます(下記に例を掲げます)。
原則としては、条単位で独立させ、一つの改正規定で処理するということであり、単なる繰上げ・繰下げの場合は特に条単位で独立させる必要性はないため、便宜続けることとされているというだけで、必ずしも統一はされていないと思われます。
そのため、どちらの表現方法でも問題はないものと思われます。
参考例
政令 第二百二十四号
特殊法人等改革推進本部令の一部を改正する政令
特殊法人等改革推進本部令(平成十三年政令第二百十一号)の一部を次のように改正する。
第五条中「特殊法人等改革推進本部長」を「本部長」に改め、同条を第六条とする。
第四条を第五条とし、第三条を第四条とし、第二条を第三条とする。
政令 第百八十七号
自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
(道路運送車両法施行令の一部改正)
第一条 道路運送車両法施行令(昭和二十六年政令第二百五十四号)の一部を次のように改正する。
(中略)
第六条を第七条とし、第五条を第六条とする。
第四条中「前二条」を「第二条又は前条」に改め、同条を第五条とする。
第三条を第四条とし、第二条の次に次の一条を加える。
法律 第二十三号
土壌汚染対策法の一部を改正する法律
土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第二十九条を第五十四条とする。
第二十八条第一項中「 、第二十条第一項」を「 、第四十四条第一項」に改め、同項第三号中「第二十条第一項」を「第四十四条第一項」に改め、同条第二項を削り、第六章中同条を第五十二条とし、同条の次に次の一条を加える。
(公示)
第五十三条 環境大臣は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
一 第四十四条第一項の指定をしたとき。
二 第四十四条第二項の規定による届出を受けたとき。
三 前条の規定により第四十四条第一項の指定を取り消したとき。
第二十七条を第五十一条とする。
第二十六条中「第二十一条第一号」を「第四十五条第一号」に改め、同条を第五十条とし、第二十五条を第四十九条とし、第二十二条から第二十四条までを二十四条ずつ繰り下げる。
政令 第二百六十九号
肥料取締法施行令及び家畜伝染病予防法施行令の一部を改正する政令
(家畜伝染病予防法施行令の一部改正)
第二条 家畜伝染病予防法施行令(昭和二十八年政令第二百三十五号)の一部を次のように改正する。
第一条の表家きんペストの項中「家きんペスト」を「高病原性鳥インフルエンザ」に改める。
第五条中「第二条第一項」を「第三条第一項」に改め、同条を第六条とし、第四条を第五条とする。