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2008/07/02(水)
カテゴリー : 5.用字・用語、形式

「主催」「共催」「協賛」「後援」の違いについて

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【ご質問】

  本市の公の施設の使用料の減免要件に「市が主催または共催する行事」とある。

  ある団体が催し物をする場合、市が当該行事に対して費用負担している場合または市職員が出務をしている場合などは、共催と言えると思われるが、団体に対し単に市が補助金を出しているとどまる場合は、共催とするには無理があるかと思う。

  そこで「主催」「共催」「協賛」「後援」等の違いについて、ご教示いただきたい。また、行事において、仮に事故が起きた場合、市の責任についてどのような違いがあるかについてもご教示いただきたい。

【弊社見解】

「主催」「共催」「協賛」「後援」の四語につきましては、法制執務上特に定まった意味をもたない用語であるため、使用に際しては広く事例を検討する必要があると思われます。

弊社にて全国の自治体例規においてこれらの用語がどのように定義されているか調べましたところ、以下の通りとなります。

「後援」= 外部的な支援。一般的に、名義使用のみを承認。
※ただし、公の施設でのポスター掲示等の便宜を図る場合や、施設使用料の減額等を伴う場合もあるようです。

「協賛」= 外部的な支援。ほぼ後援と同義で、名義使用のみを承認。
※ただし「後援」よりも強く支援している語感があるため、原則的には「後援」名義の使用を承認する運用とし、特に要望があったときのみ「協賛」名義の使用を承認する……とする自治体様もあります。

【例:東京都資料:東京都の後援名義等の使用等について】
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010198001.html

「主催」・「共催」=内部的な支援。市または市の委託を受けた者が下記①~③のいずれかを行い、かつ、責任を負う(主催の場合は全責任、共催の場合は一部の責任)。

① 企画立案・運営を行う、又は企画立案・運営に参画すること
② 当該行事に職員等を配置、又は参加させること
③ 特別に運営費を支出すること

**************

「後援」「協賛」の場合は、あくまで外部的な支援(=責任者は外部者)であるため市が責任を負うことはありません。「主催」「共催」の場合は、市が責任を負うこととなります。

そのため「主催」「共催」を行う場合は、事故が起きた場合の補償等について考慮する必要が出て参ります。この点については、特に規則等を設けている自治体様が少なくないようです。
なお補償に際しての「主催」と「共催」の区別については、弊社の調査した限りでは、分けて規定している事例は見受けられませんでした。

しかしながらこれらが「市が~企画立案に参画」等の文言を共通して含むこと、及び、共同開催についての文言を含まないことから、「共催」と呼ぶべき事例についても、同様に扱うものと思われます。

以上、ご参考になれば幸いです。