一時的な特例規定を設ける方法について
【お問合せ】
当市では、保険料の減免規定を条例の本則にすでに設けているが、一時的に(たとえば令和2年1月~令和3年3月)減免の対象を広げたいと考えている。
このような場合、条例の本則に定めている減免規定に追加する方法以外で特例のような規定を設ける方法はないのか。
【弊社見解】
減免規定の定め方によっては、条例によらず、規則や要綱に定めることが可能な場合がございます。
もっとも、その方法は一律でこういう場合には、可能・不可能というものではなく、個々具体的なケースにより決まるものです。
したがって、今回は条例の本則を改正せずに制定附則で特例規定を設けることをおすすめいたします。
一般的に、本則はその例規で定める事項、附則は付随的な事項を定めるという役割分担がございますが、別の視点から言えば、本則は継続的に適用させる事項、附則は一時的・暫定的に適用させる事項を定めるという役割分担もございます。
つまり、本則で減免規定を設けるということは、常にその減免制度があるという意味である一方で、附則に減免規定を設けるということは、特定の期間だけ一時的にその減免制度を利用できるという意味になります。
今回のように特定の期間だけ減免対象を広げたいというケースは、まさに一時的に(通常の減免制度とは別に)特別な減免制度を利用させたいというケースですので、附則に定めるという方法が可能になります。
なお、一言に附則と言っても、制定附則(一番上の附則)と改正附則(上から2番目以降のすべての附則)がございます。ここでいう附則とは制定附則を指す点ご注意ください。