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2008/05/27(火)
カテゴリー : 1.一部改正

『項』を「削除」とできるか

【お問い合せ】

『項』については、「削除」とすることはできないとされていますが、そのような例は全くないのでしょうか。

【弊社見解】

法制執務上は『「項」は単なる段落であるため「削除」とすることはできない』ことになっています。
しかし、法律についてはそのような例は確認できていませんが、省令・条例等においては、そのような例もあります。

   《参考》

総務省令 第四十六号
 証券取引法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第五十四号)、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律(平成十五年法律第百三号)並びに電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(平成十五年法律第百二十五号)の施行に伴い、住民基本台帳法別表第一から別表第五までの総務省令で定める事務を定める省令の一部を改正する省令を次のように定める。
 平成十六年三月二十三日
  (略)
 第一条第八十二項を次のように改める。
 82 削除
 第三条第八項を次のように改める。
 8 削除
 第五条第十一項を次のように改める。
 11 削除
   附 則
 この省令は、平成十六年四月一日から施行する。


 東京都職員の給与に関する条例の一部を改正する条例(昭和49年東京都条例第69号)
   附 則
・・・
 (切替日前の異動者の号給等の調整)

4 切替日において教育職給料表の適用を受ける職員のうち、切替日前に職務の等級を異にして異動した職員及び人事委員会の定めるこれに準ずる職員の切替日における号給又は給料月額及びこれらを受けることとなる期間については、その者が切替日において職務の等級を異にする異動等をしたものとした場合との均衡上必要と認められる限度において、人事委員会の定めるところにより必要な調整を行うことができる。

5 削除
 
 (給与の内払)

6 切替期間において、改正前の条例の規定に基づき、切替日以降の分として支給を受けた給与は、改正後の条例の規定による給与の内払とみなす。

 (委任)

7 附則第二項から前項までに定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、人事委員会が定める。

個人的には、『「項」は「条」や「号」とは違い、ただの段落である』という理由自体が方便に過ぎないのですから、現に必要に迫られている以上、項の「削除」も認めるべきではないかと思います。