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2007/05/28(月)
カテゴリー : 3.附則

附則の「抄」とは、どのようなものか。

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【お問い合せ】

附則の法令番号の横に「抄」と表記されているものがあるが、これは何か。「抄」があるのと無いのとでどう違うのか。

【弊社見解】

ここでいう「抄」とは、附則の法令番号の横についている印を指します。
(例)

(総務省・法令データ提供システム )

(学陽書房「地方自治小六法 」)

この「抄」については、法制執務上の決まりではなく、法令出版社が法令集の編纂の際に便宜上用いているものです。

この「抄」は「抄録」の意味で、附則の全文を載せてはいない、という意味で表示しています。

載せない規定の多くは、例えば、一部改正例規の附則において他例規の改正を行っているような場合のその改正規定です。
理由としては

  • 改正規定は、改正先の例規に溶け込んで消滅する(法制執務の理屈では)ため、当該改正規定条項は消えているはず。
  • 他例規の改め文を長々と例規集に掲載し続けるのはスペースを使う割に実益が無い。(改正例規本体ですら例規集には載せないのに、改正例規の附則内に置かれた付随的な改正規定を例規集に載せることになってしまう。)

といったことが挙げられます。

ただし、改正の内容を例規集からでも読めるようにするために、附則中の他例規の改正規定を省略せず残しておくこともあります。

抄録の場合は、表記はされていなくても実際には項が存在しているため、外見上、

  • 1項しか無いように見える場合でも、項番号の「1」が表示されている。
  • 表記されていない条名や項番号が欠番になっている。

といった特徴があります。