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2024/03/26(火)
カテゴリー : -FAQ, 5.用字・用語、形式

「編入」「繰入」の違い

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【お問合せ】

いくつかの基金条例を制定していますが、「編入」という字句と、「繰入」という字句が混在しており、統一すべきではないかと考えています。
「編入」「繰入」の違い、どちらの字句を優先すべきなどは、あるのでしょうか。

【弊社見解】

法制執務上の用字用語として「編入」と「繰入」の違いについて言及している資料は、見当たりませ んでした。
法令上は、次のようにほぼ同じような事項について「編入」を用いている例もあれば「繰入」を用いている例もあり、何らかの区別が存在しているのか定かではありませんし、字句の意義のみを考えても明確な違いがあるようには思えません。

例えば、介護保険法第147条第5項は、以下のとおりです。
5 都道府県は、政令で定めるところにより、第三項の規定により市町村から徴収した財政安定化基金拠出金の総額の三倍に相当する額を財政安定化基金に繰り入れなければならない。

地方自治法第233条の2は、以下のとおりです。
(歳計剰余金の処分)
第二百三十三条の二 各会計年度において決算上剰余金を生じたときは、翌年度の歳入に編入しなければならない。ただし、条例の定めるところにより、又は普通地方公共団体の議会の議決により、剰余金の全部又は一部を翌年度に繰り越さないで基金に編入することができる。

どちらも基金に移動させる規定ですが、「繰り入れ」、「編入する」という字句を用いています。
「編入」とするか「繰入」とするかの判断基準としては、当該条例上の規定に法令上の根拠条文がある場合には、その法令上の根拠条文で用いられている語を条例においても用いるというのが最も無難で納得しやすいところかと思います。
例えば、そこで指している事項が地方自治法第233条の2にいう剰余金の基金への移動を指しているのであれば、条例上も「編入」を用いるということです。

特に明確な根拠法令がないような場合(そのような場合があればですが)、どちらを用いるのか悩ましいところではありますが、結局のところどちらでも意味としてもニュアンスとしても大きく変わりませんので、どちらでもさほど問題はないのではないかと思います。