法制執務全般、じょうれいくんの操作、技術的な解説

6.法令解釈 記事一覧

ほうれいくん(法制執務室) > FAQ > 6.法令解釈 > 国家公務員の給与減額措置(臨時特例法)に準じる場合の関連事項②~「給料月額」と「給料の月額」
2013/06/27(木)
カテゴリー : 6.法令解釈

国家公務員の給与減額措置(臨時特例法)に準じる場合の関連事項②~「給料月額」と「給料の月額」

タグ :

【ご質問】

 

給与条例上で「給料月額」と「給料の月額」とあり、これに関連し、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(平成24年法律第2)中では「俸給月額」と「俸給の月額」が使い分けられていると思うが、どのような趣旨か。

 

【弊社見解】

 

国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(以下「臨時特例法」)9条第3項では、「特例期間においては、一般職給与法第十五条から第十八条までに規定する勤務一時間当たりの給与額は、一般職給与法第十九条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した給与額から、【俸給月額】並びにこれに対する地域手当、広域異動手当及び研究員調整手当の月額の合計額に十二を乗じ、その額を一週間当たりの勤務時間に五十二を乗じたもので除して得た額に当該職員の支給減額率を乗じて得た額に相当する額を減じた額とする。」と規定されています。

 

この規定中「給与額から、【俸給月額】並びに」とありますが、一般職の職員の給与に関する法律(以下「一般職給与法」)19条は「第十五条から第十八条までに規定する勤務一時間当たりの給与額は、【俸給の月額】並びにこれに対する地域手当、広域異動手当及び研究員調整手当の月額の合計額に十二を乗じ、その額を一週間当たりの勤務時間に五十二を乗じたもので除して得た額とする。」と規定されております。

 

一般職給与法における「俸給月額」については、給与法第6条第1項各号に規定する各別表中の俸給月額に加えて、第8条の2に規定する俸給月額をいい、一般職給与法における「俸給の月額」については、一般職の職員の給与に関する法律の運用方針(給実甲第28号)第19条関係第1項に規定されています。

第19条関係

1 「俸給の月額」とは、第6条の2若しくは第8条又は第8条の2の規定により決定された俸給の額及び第10条の規定による俸給の調整額の合計額をいい、法令の規定により俸給を減ぜられているときでも、本来受けるべき俸給の月額とする。

 

「俸給月額」「俸給の月額」の定義は、臨時特例法においても一般職給与法と同じです。

臨時特例法において減額対象となっている給与は俸給月額(9条第1項)及び一部の手当(9条第2)ですが、「俸給の調整額」は減額対象となっておりませんので、臨時特例法第9条第3項において、一般職給与法第19条と同様に「俸給の月額」を用いると、減額対象ではない「俸給の調整額」が減額されてしまうことになります。

このため、臨時特例法第9条第3項においては、一般職給与法19条とは異なり、「俸給月額」を用いられていると解されます。