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2016/10/06(木)
カテゴリー : 3.附則

経過期間中に異なる改正が加わる場合の規定の仕方②

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【お問合せ】

一部改正例規にて、AをA'(ダッシュ)に改正したが、一定期間はAのまましておきたい。
そのため、経過措置として「第○条(Aに関する規定)については○○するまでの間は、なお従前の例による。」という規定を改正附則に付けました。
ところが、その一定期間が経過する前に、AをA”(ダブルダッシュ)に変更する必要が生じてしまいました。
経過期間中に「なお従前の例による。」とされた規定を改正する方法はあるのでしょうか。あるとしたら、どのような方法なのでしょうか。

【弊社見解】

経過期間中に、すでになされた改正に更に改正があった場合の対処方法については下記をご参照ください。
◆FAQ:経過期間中に異なる改正が加わる場合の規定の仕方①

今回は、すでになされた改正を更に改正する場合ではなく、「なお従前の例による。」とされた規定に改正がある場合です。

『(なお従前の例によるという表記の意味は)原則としてその時点の直前の法状態あるいは直前において適用状態であった法が「従前」の内容となる。』
「法制執務ハンドブック」(大島稔彦著 第一法規)(p220)

『前者(なお従前の例による)の場合は、ある事項に対する法律関係については、新法令又は改正後の法令の規定の施行直前の法律制度をそのまま凍結した状態で適用するのであって、~』
「新訂 ワークブック法制執務」(法制執務研究会編 ぎょうせい)(p336)

とあるように、「なお従前の例による。」という規定は、改正はするけれども一定期間は改正前と”同じ扱いをする”ということを意味します。したがって、すでに改正前の「A」という規定は存在せず、事後的に改正の必要が生じたとしても通常の改正では対処できません。

そこで、一つの考え方としてその経過措置の特例を定める別の条例を新規制定する方法が考えられます。
例えば、ご質問のAが規定されていた条例を「A条例」と仮定します。さらに、AをA’に改正して、件の経過措置を定めた条例を「A条例の一部を改正する条例」と仮定します。

A条例の特例に関する条例

(目的)
第1条 この条例は、A条例及びA条例の一部を改正する条例(以下「改正条例」という。)の規定にかかわらず、○○するまでの間における第○条の特例を定めることを目的とする。
(第○条の特例)
第2条 改正条例附則第○条によりなお従前の例によるとされている、Aについては、○○するまでの間はA”とする。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。

「○○するまでの間」には、経過期間の終期又は経過期間が終わる条件を表記します。