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2008/09/09(火)
カテゴリー : 6.法令解釈

土地開発公社の定款を変更する定款

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【お問い合わせ】

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の全面的な施行に伴い、

9月議会に「土地開発公社の定款を変更する定款」の改正案件を出したいのであるが、この施行期日の書き方について聞きたい。

民法第38条~第84条が削除され、監事の職務の根拠法令が変わったので、引用を「民法第59条」から「公有地の拡大の推進に関する法律第16条第8項」と改めたい。

しかし、定款の変更は、県知事の認可を受けないと効力を発生しないということが「公有地の拡大の推進に関する法律14条第2項」に定められている。

第14条第2項  定款の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、設立団体の議会の議決を経て第十条第二項の規定の例により主務大臣又は都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
この場合の施行期日であるが、法律の施行期日に合わせるべきか。県知事の認可を受ける日に合わせて施行するべきであるか。また、ただし書きでうまく規定することができるのか、文言の添削も含めて伺いたい。

(案) ○○市土地開発公社定款の一部変更の施行期日の書き方について

第①案
この定款は、○○県知事の認可を受けた日から施行する。ただし、平成20年12月1日前に○○県知事の認可を受けたときは、平成20年12月1日から施行する。

第②案
この定款は、○○県知事の認可を受けた日又は平成20年12月1日のいずれか遅い日から施行する。

【弊社見解】

法律の施行と知事の認可の両方が定款の変更の要件である場合の施行期日の定め方については、以下のようなものが考えられます。

1 法律の施行日に合わせる。
知事の認可をその日までにとるように手続を進めることが可能であれば、単に施行日を法律の施行日に合わせます。

ex,
この定款は、平成20年12月1日から施行する。

万が一、知事の認可が施行期日よりも遅れてしまった場合でも、この度の定款の変更内容は根拠規定の変更であり、内容の変更ではないので、その性質上特に問題はないと思われます。

2 法律の施行日よりも知事の認可が遅れることを気にされる場合この場合には、ご提案頂いた第2案のような形が好ましいと思われますが、法律の施行日を原則とし、法律の施行日である「平成20年12月1日」を先に書かれる方がよいかと思います。

ex,
この定款は、平成20年12月1日又は○○県知事の認可を受けた日のいずれか遅い日から施行する。

3 語句も含めた施行期日の訂正箇所

知事の認可を受けた日は、外部にはわからないので、施行日としては、例外的な扱いにし、原則は法律の施行日に依ることがよいのではないでしょうか。

第①案

この定款は、平成20年12月1日から施行する。ただし、同日後に○○県知事の認可を受けたときは、当該認可を受けた日から施行する。○○県知事の認可を受けた日から施行する。ただし、平成20年12月1日前に○○県知事の認可を受けたときは、平成20年12月1日から施行する。

第②案

この定款は、平成20年12月1日又は○○県知事の認可を受けた日のいずれか遅い日から施行する。○○県知事の認可を受けた日又は平成20年12月1日のいずれか遅い日から施行する。