同一改正目的と別の改正目的がある場合に整備条例に含めるか否か
【お問い合わせ】
当市において、同一目的で複数の条例(10個)を「整備条例」にて改正する予定です。
もっとも、これら複数条例のうちの1つだけ、別の理由・目的での改正があります。
つまり、ある条例(A条例)には、同一目的の改正部分とA条例固有の改正理由による改正部分の2つが存在しています。
そのため、整備条例に含めるか、別の改正条例にするか悩んでおります。
具体的には
A条例以外の条例:①同一目的での整備のための改正部分
A条例:②同一目的での整備のための改正部分+③A条例固有の改正目的での改正部分
考えられるパターンは
A:同一目的の改正として①②を含める整備条例を制定
整備条例とは別に③のみの改正をする改正条例を制定
B:同一目的の改正として①のみの整備条例を制定(②は含めない)
整備条例とは別に②③の改正をする改正条例を制定
どちらのパターンが適切でしょうか。
【弊社見解】
整備条例のメリットは、1回の手続で同一目的の改正が判断できる点にあります。しかし、それ以上に、同一目的の改正について矛盾のない判断を求めることが必要になります。
同じ目的での改正にもかかわらず、別々に審議がされてしまうと(抽象的な可能性かもしれませんが)一方が否決される可能性がございます。そうすると、同一目的の改正にもかかわらず一方が可決、他方が否決されるという事態になってしまいます。
だとすれば、パターンはAとされるべきです。
参考までに国で実施された行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の改正の際に、政治資金規正法を含む多数の法律を改正すると同時に、同じ会期の国会で別途政治資金規正法の一部改正を実施している例を掲載しておきます。
◎行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律
法律第八十九号(平五・一一・一二)
(政治資金規正法の一部改正)
第三百五十二条 政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)の一部を次のように改正する。
(中略)
第三十一条中「理由を示して」を削る。
(地方税法の一部改正)
第三百五十五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十二節 不服審査及び訴訟」を
「第十二節 行政手続法との関係(第十八条の四)
第十三節 不服審査及び訴訟」
に、「第十三節」を「第十四節」に、「第十四節」を「第十五節」に改める。
第一章中第十四節を第十五節とし、第十三節を第十四節とし、第十二節を第十三節とし第十一節の次に次の一節を加える。
第十二節 行政手続法との関係
(行政手続法の適用除外)
第十八条の四 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三条又は第四条第一項に定めるもののほか、地方税に関する法令の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については、同法第二章及び第三章の規定は、適用しない。
2 行政手続法第三条、第四条第一項又は第三十五条第三項に定めるもののほか、地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務の適正な実現を図るために行われる行政指導(同法第二条第六号に規定する行政指導をいう。)については、同法第三十五条第二項及び第三十六条の規定は、適用しない。
(以下略)
◎政治資金規正法の一部を改正する法律
法律第四号(平六・二・四)
政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)の一部を次のように改正する。
政治資金規正法目次中「特定公職の候補者に係る指定団体」を「公職の候補者に係る資金管理団体」に改める。
第一条中「並びに政治団体及び公職の候補者」を「、政治団体」に、「及び授受」を「並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受」に改める。
第二条の見出しを「(基本理念)」に改め、同条第二項中「及び公職の候補者」を削り、同条第三項を削る。
(中略)
第二十九条中「、第十七条第一項又は第十九条の七第一項若しくは第二項」を「又は第十七条第一項」に改める。
第三十二条第二号中「第二十一条第一項」を「第二十条の二第一項」に改め、同条第三号中「第二十一条第二項」を「第二十条の二第二項」に改める。
附 則
(以下略)