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2016/07/04(月)
カテゴリー : 1.一部改正

同一字句の複数の改正について②(別の意味が含まれる場合)

【お問合せ内容】

(1) 1つの条例中、特定の字句を一括して改正することは可能か。可能だとしたら改正手法はどのようなものになるか。
(2) 一括で改正したい字句が別の意味でも使用されているような場合、後者を除外して、一括で改正することは可能か。例えば、「町長」と「長」の両方が表記されてしまっている条例があるとする。その例規を「町長」に統一させたい。ところが「長」という字句は「長期間」という意味でも使用されている。

【弊社見解】

(1)について
1つの条例(規則)中の同一字句を一括で改正する方法については、下記ページをご覧ください。
◆FAQ:同一字句の複数の改正について①

(2)について
(1)の考え方によれば、ご質問の改正文は「本則中「長」を「町長」に改める。」や「○○条例中「長」を「町長」に改める。」となります。
一見、この改正は条例中の「長」という字句をすべて「町長」に改めているように見えますが、本当にそうなのでしょうか。2つの考え方がございます。
まず1つ目は、「長」を形式的に捉える考え方です。条例上に表記されている「長」という字句をすべて改正対象とする考え方です。この考え方によれば、ご質問のような条例内の「長期間」の「長」もすべて改正対象となり、結果「町長期間」という改正が行われます。
他方で2つ目は、「長」をより実質的に、改正したい字句の意味も考慮する考え方です。ご質問の改正趣旨は、地方公共団体の首長としての「長」を「町長」にするということかと思われます。そうすると、改正したいのはあくまで地方公共団体の首長としての「長」であり、期間の長さを意味する「長期間」の「長」は改正対象には含まれないということになります。結果、改正されるのは前者の意味での「長」のみということになります。
1つ目の考え方でも、2つ目の考え方でも「「長」を「町長」に改める。」という改正文は変わりません。

 

【関連FAQ】
例規中の同一字句をまとめて改正する際、改正附則にもその字句が含まれている場合
異なる箇所の同一字句を改正する場合の改正手法について